銀河系の 遥か彼方(キミと巡り会えた) この奇跡 必然だよ

 私はずっと勘違いをしていました。

 初めて出会ったその時から私は彼が特別なものだと思っていたのです。長い手足、華奢な首、凛々しい瞳、高い頭身、なにより愛らしい寝顔。私は瞬間に溺れてしまったのです。愛という名の海に。

 私は彼を特別な存在だと認識し、彼も私を特別な存在だと認識しました。幸せでした。夢を見てるようでした。あの日までは。


*****

「先生、ごっちゃんて血統書ついてません?」
「いやあ、雑種だと思うよ」
「この模様、アメショっぽくないすか?」
「アメショは柄がもっとくるってしてるねえ」
「おっさん座りするからスコティッシュかなとも思ったんすけど」
「スコじゃなくても座る子はいるよ」
「モデル並みにスレンダーなのに?」
「うん」
「こんなにかわいいのに?」
「うん」
「雑種?」
「雑種」
*****


・そんな雑種のごっちゃん(本名:ごま鯖)ももう二歳!レッツ・パーティー


・左からまたたび、おやつ、モンプチ(スープ)、プレゼントの首輪(amazonで660円)、ロールケーキ(人間用・30%引き)



・なにこれ超うまいんだけど!!とガツガツ食べるごっちゃん。おいしく食べる君が好き。



・マジで?そんなにうまいの?と匂いを嗅ぎに先輩が。



・だけど先輩はおやつを食べない。このあとまたたびを振る舞いました。



・またたびの多用、ダメ、絶対。



・解散。チーッス


 この二年で変わったことと言えば、飼い主の耳のピアス全撤去と髪の色が落ち着いたこと。猫たちは悠々自適な毎日を過ごしています。願わくば来年も一緒にこの日を迎えられますように。あと、ごっちゃんは壁をじっと見つめないでください。何もいないよ怖いです。


ボクたちはこの強さ弱さで何を護るのだろうもう理性など無いならば

 皆さまお元気ですか?私は病気です。この挨拶結構してますね。

 今日、胃カメラ飲んだんですよ。なんか喉の調子が悪くて声が出ないし常に胸やけと吐き気。助けてくださいと病院へ行き、逆流性食道炎かもしれないねとお薬を処方されました。でも治らない。助けてくださいと再度訪ね、私と一回りは違うであろう若い先生にこの原因を知りたいし不安なので胃カメラお願いしますと申し出たら「え?マジで?これくらいの症状で胃カメラとか必要なくね?」的な表情をされましたがゴー。こっちとしては胃カメラ飲めば治る!と思ってました。昨日までは。

 前もって渡された『僕、内視鏡くんだよ!全然怖くないから安心してネ!』なるのを読んで、さすが今の医学はすごいなあと感心したのです。昨日までは。

 夜九時以降は絶食で飲水は可。緊張のため眠れずに予約時間より一時間早めにつくビビり。最初に胃をきれいにする飲み物(正式名称は言われなかった。何だったんだろうあれ)を渡され一息で飲みこむ。なんかしょっぱい。まずい。肩に筋肉注射を打たれ診察室へ。

 すごい機嫌が悪そうな看護師の方が機械的に診察の流れを説明し、今度は喉の麻酔を口にシュッシュされる。これが本当にまずい。苦い。一回で終わりかと思いきや何回もシュッシュされ飲みこむ。既に涙目。顎辺りがだるく痺れたところでこれまたすごい機嫌が悪そうな検査技師さんが諸注意を機械的に説明。なんか嫌なことあったのかなあとぼんやりしてるとマウスピースを噛まされ内視鏡くんこんにちは。

 ここでびっくり。内視鏡くんめちゃ太い…。小学校の時に使った習字の筆くらいある。無理無理!そんなん入らないって!パンフと違う!内視鏡くん出てこいや!一発ぶん殴らないと気が済まねえ!ねえ?先生?

 先生内視鏡くん入れてきたー!やだなにこれ吐きたい!「なにかあったら手をあげて教えてね」って歯医者と同じこと言ってる!どっちもなにかあったら「はーい。もうちょっと我慢しようねー」パターンだ!大人って汚い!

 本当はよだれが出ちゃうからと枕にしかれたティッシュで涙を拭う。ぎゅうぎゅうに管が入ってくる恐怖。だから私触手系ダメなんだ…と達観しました。あれ、気持ち悪いもんな…。

 で、ポリープあったヨ☆胃と十二指腸の両方に数個。あとやっぱり喉がヤバいって☆主治医と相談してくださいねと言われましタ☆

 誰かに体を叩けば病気が出てくると揶揄された覚えがあります。君、正解。

 胃カメラを 飲んでもすぐに 治らない 婚期はますます 遠くなりけり

Butterfly 今日は今までの どんな時より素晴らしい

 え?五月?またまた冗談が上手いんだからねえ?…え?マジで…?

 噂によると五月らしいですね。カレンダーめくったらMAYって書いてあった。12ヵ月を英語ですべて言えない私ではありますがさすがにこれは分かる。うん。五月だね。

 私だけの王子様が早く訪れないかしらウフフと白い麻のワンピースを着て野原で寝っ転がりシロツメクサの冠を作っていましたが不思議なことに一向にやってくる気配がない。これはおかしい、と自分の年を再考してみたところ三十も過ぎてなんなら中盤に入りそう。その時ね、背筋がゾってしたんだよね。やっべ。夢見る少女じゃいられない。シロツメクサの冠をぶん投げて麻のワンピースも脱ぎ捨て、野原を走り抜け、急いでパソコンまでダッシュ。終わりの始まり。さあ目覚めよ。禁断の奥義、婚!活!

 そんで婚活始めました。まだ活動を始めてひと月ですがもう辞めたいです。超神経使う。結婚相談所に入るほどのマネーはないので巷で流行りのネット婚活です。自分の写真とプロフィールを載せて気になる人がいたらメッセージのやり取りをして実際会うという手順。若くてかわいい女子だったらメッセージのやり取りもスムーズに進むだろうにこちとら三十路過ぎのぶっさいくで低収入のなおばちゃんですわ。突飛な格好してるし。そんなばばあとメッセージ交換したい成人男性はおりません。だって私だったら絶対私と付き合いたくない。

 そんな中、一人だけ会う段階に行けたんすわ。仮にAさんとします。Aさんと行くつもりだった喫茶店が混んでいたので違うところにしましょうか?と探している最中、なんなら昼酒でもいいですねとサンサンと日が降り注ぐ午後二時に居酒屋へ。みんなーはい注目ー。いくらお互いお酒が好きでも初顔合わせで昼から飲んじゃだめですよー。二人で日本酒を一升近く飲み、ぶらぶら散歩してまた飲んで帰ってきました。別れ際に向こうから「グッドラッグ!」みたいな握手をしてきたのは確実に覚えています。他はお酒の力であまり覚えてません。翌日届いたメッセージには『飲み友達としては最高ですが結婚相手としてはちょっと…。でも本当に楽しかったです!』とあり、スタート地点に戻されました。なんでやねん…。あたい、いつもそうなんや…。みんな友達になってまうんや…。間違った関西弁で部屋の隅で体育座りをし頭を抱える日々。

 えー。ていうかー。別に結婚しなくてもよくね?ぶっちゃけー、一人の時間がなくなるっていうかー束縛?みたいなのメンドくね?デートで激混んでる遊園地とか行くなんてマジ有り得ないんですけど。でー二人で散歩したりピクニック行ったり温泉行ったりするべ?やっぱメン…ドくない!!全然メンドくない!!ピクニック行きたい!!手え繋いで動物園とか超行きたい!!「みてみてーここでモルモットとウサギがさわれるって!かーわいー」とか言いたい!!…結婚…したいです。(溢れ出る涙を拭おうともせず真っ直ぐな瞳で)あたし、結婚したいです…!!

 GW最終日お見合いパーティー行ってきます。イエーイ!人生初体験!心がぽっきり折れそうだけど生きていかざるを得ない。それが人間なのだから。

海の果ての果てで恋も欲望も 波のように砕け散って幻になれば

 吉井和哉が某タレントと別れたというニュースを聞いて思わず万歳してしまった人、集合してー。あと、西川貴教が某モデルと破局した報道にも万歳してしまった人、こっち来てー。私が待ってるからー。これで私たちにもこのお二人のうちのどちらかと結婚できる権利を得たということですよね。どっちがいいパパになるかな?あ、今ならビンタしても大丈夫ですよ。我ながらすごいこと考えるなあと感心してます。私の脳みそどうなってるんだろう。

 とりあえずうちのプリンスの写真上げときますね。ほらほら、拳を振り上げているあなた。これを見て怒りを紛らわせてください。なんなら動画もありますけど見ます?見ません?興味ないです?あ、見ません?本当にいいんですか?後悔しませんか?あの日、なんで「ありがとう」って言えなかったんだろう…。だってそれが一生の別れだなんて思ってもみなかったから…。私は、もう後悔したくない。だから見ときましょ。強制です。


 

「ああなんてかわいいベイビー愛したくなるわ」(思うツボだぜ)

 昨年、姉を抜いてトップで結婚した妹が妊娠したとの知らせを受け早速買いました。『たまごくらぶ』と『はじめての妊娠・出産』の二冊。誰のために?イエス、私のために。

 ご存じかどうかは分かりませんが私は三十路もとうに過ぎたのに結婚をしたこともなければ妊娠もしたことのない、その上色気もないし器量も悪い、現在お付き合いしている殿方もおらず強いて褒めるところと言えば多少の愛嬌のみ。それから英検三級とAT限定の運転免許。あ、実家の店を手伝っているため全く役に立っていない社会福祉主事任用資格もある。だから買っても必要ないんじゃない?ってお思いですか?ですよね?

 話は十年ほど遡ります。当時二十代だった私はステージ0の子宮がんだと診断されました。その時はさほど子どもに興味はなかったため、ショックは少なく病気になっちゃたものは仕方ないからとりあえずこれ以上悪くならないようにと長いこと様々な治療をしてきました。そして先日、主治医から「もう子宮大丈夫っぽくね?」とのお言葉が。

「マジで?!」
「マジで。ただ卵巣嚢腫がまだアレでアレだけど」
「ですよねー」
「あと痩せてね」
「ああー…」
「それから他の科の薬を減らしな」
「でも妊娠できる的な?」
「まあ、可能性はゼロではない」
「おおー!」
「初産は35までにしときな。あんたは他の合併症の心配もあるから」
「あざーっす!頑張るっす!」

 ということで妊娠できるかもしれない私は『たまごくらぶ』を買ってもいいですよね?未知の領域で不安もあります。だから『はじめての妊娠・出産』も合わせて買ってもおかしくないですよね?それって必要ですよね?有意義な出費ですよね?

 そんで今、分娩時に起こりうるトラブルのページを読んで涙目。常位胎盤早期剥離が怖い…。世の中のお母さんは乗り越えてきたのね。赤子と一緒にこの十月十日の日々を。えらいなあ。私も頑張ろう。まずは永遠を誓い合う王子様探しを。