「ああなんてかわいいベイビー愛したくなるわ」(思うツボだぜ)

 昨年、姉を抜いてトップで結婚した妹が妊娠したとの知らせを受け早速買いました。『たまごくらぶ』と『はじめての妊娠・出産』の二冊。誰のために?イエス、私のために。

 ご存じかどうかは分かりませんが私は三十路もとうに過ぎたのに結婚をしたこともなければ妊娠もしたことのない、その上色気もないし器量も悪い、現在お付き合いしている殿方もおらず強いて褒めるところと言えば多少の愛嬌のみ。それから英検三級とAT限定の運転免許。あ、実家の店を手伝っているため全く役に立っていない社会福祉主事任用資格もある。だから買っても必要ないんじゃない?ってお思いですか?ですよね?

 話は十年ほど遡ります。当時二十代だった私はステージ0の子宮がんだと診断されました。その時はさほど子どもに興味はなかったため、ショックは少なく病気になっちゃたものは仕方ないからとりあえずこれ以上悪くならないようにと長いこと様々な治療をしてきました。そして先日、主治医から「もう子宮大丈夫っぽくね?」とのお言葉が。

「マジで?!」
「マジで。ただ卵巣嚢腫がまだアレでアレだけど」
「ですよねー」
「あと痩せてね」
「ああー…」
「それから他の科の薬を減らしな」
「でも妊娠できる的な?」
「まあ、可能性はゼロではない」
「おおー!」
「初産は35までにしときな。あんたは他の合併症の心配もあるから」
「あざーっす!頑張るっす!」

 ということで妊娠できるかもしれない私は『たまごくらぶ』を買ってもいいですよね?未知の領域で不安もあります。だから『はじめての妊娠・出産』も合わせて買ってもおかしくないですよね?それって必要ですよね?有意義な出費ですよね?

 そんで今、分娩時に起こりうるトラブルのページを読んで涙目。常位胎盤早期剥離が怖い…。世の中のお母さんは乗り越えてきたのね。赤子と一緒にこの十月十日の日々を。えらいなあ。私も頑張ろう。まずは永遠を誓い合う王子様探しを。