想い焦がれてた季節が 外で微笑んでいても気づかない

 あれは確か六月下旬。数日前から自己判断で膀胱炎だと思っていた私は痛みに耐え切れずに病院の戸を叩きました。医者に要約すると超痛いの旨を伝えて検査してみたところ異常なし。症状は出ていないのだから抗生剤飲んでも意味ないよ、と代わりに漢方薬を一週間分処方されました。が、効かない。というか漢方薬は即効性があるわけでもなしに。翌週にマジ痛い、むしろこの前より痛いと訴えると今度は膀胱と腎臓のエコーを撮られるもやはり変わりなし。原因不明の難病じゃないのかしらんと疑問を抱きながら今度は婦人科に相談したところ「それ、卵巣が捻じれちゃってるんじゃね?」と言われ何それ怖い。あの、痛すぎて絶えず声を出してないと辛い時が捻じれてた瞬間?それ大丈夫ですか、と尋ねると最悪手術だねと笑顔で返され思わず私もウフフ。先生それって開腹?それとも腹腔鏡?

 そんなモヤモヤを抱えながらも日々は過ぎます無情すぎる夏。新しい家族を迎え入れるために家中の大掃除をした私の前に立ちはだかったのは蕁麻疹でした。手足に発疹ができてとにかく痒い。でもかいちゃだめ。年を取ると痕になるからだめ。かゆかったら叩け!と四肢をパンパンしながら病院へ。医者に大掃除をしたので変な虫に噛まれたのかもしれませんと打ち明けると彼は私の皮膚をじっくりと見てから一言、「ひどいあせもですね」。ええー。まさかのあせもー?あの赤んぼさんがよくなるあせもー?三十路すぎてのあせもー?あ、あせもって『汗疹』って書くのね。今知った。二種類の軟膏を頂いてきました。痒い。痒いって漢字を見るだけで痒い。ていうかこの字を思いついた人すごいな。本当に痒いもんな。

 そんなこんなでこの子は『ごま鯖』といいます。みんな気軽にごまって呼んでください。猫がいると生活潤う。超潤う。荒んでた私にさようなら。これでようやく前を見て歩いていけそうです。

*笑っているように見える

*ひどく驚いているように見える